力強い渦巻腕。“かみのけ座”のグランドデザイン渦巻銀河「NGC 4254」
グランドデザイン渦巻銀河「NGC 4254」(Credit: ESO)

【▲ グランドデザイン渦巻銀河「NGC 4254」(Credit: ESO)】

こちらは「かみのけ座」の方向およそ4200万光年先にある銀河「NGC 4254」です。18世紀にフランスの天文学者シャルル・メシエがまとめた「メシエカタログ」には「M99」として登録されています。

NGC 4254は地球に正面を向けている、いわゆるフェイスオン銀河のひとつです。フェイスオン銀河には渦巻腕のように銀河の平面にそって広がる構造を観測しやすいという特徴があります。NGC 4254の場合、中心部分から外側へと渦巻きながら伸びている太く力強い渦巻腕や、HII領域の電離した水素が放つ赤い輝き、塵が豊富で可視光線が隠されやすいダークレーンあるいはダストレーン(黒っぽい煙のような部分)などの様子がよくわかります。

このように明瞭な渦巻腕を持つNGC 4254は、はっきりと目立つ渦巻腕を持つことで知られる「グランドデザイン渦巻銀河(grand design spiral galaxy)」に分類されています。グランドデザイン渦巻銀河には渦巻銀河のうち1割ほどしか分類されておらず、NGC 4254は数ある渦巻銀河のなかでも少しめずらしい特徴を持つ銀河と言えます。

冒頭の画像は、科学観測の合間に魅力的な天体の写真を撮影・公開するヨーロッパ南天天文台(ESO)の「Cosmic Gems(宇宙の宝石)」プログラムのもとで、ESOのパラナル天文台で実施された「超大型望遠鏡(VLT)」の観測装置「FORS2」による光学観測データから作成されたもので、ESOの今週の一枚として2021年6月7日付で公開されています。

 

関連:歪んだグランドデザイン渦巻銀河「NGC 5364」

Image Credit: ESO
Source: ESO
文/松村武宏

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