子供と一緒に宇宙を感じる「三鷹市星と森と絵本の家」  - ニュース
2500冊におよぶ絵本などが並ぶ読書室
2500冊におよぶ絵本などが並ぶ読書室(提供:三鷹市星と森と絵本の家)

三鷹市星と森と絵本の家

「三鷹市星と森と絵本の家」は、世界天文年の2009年に、国立天文台の協力のもとに三鷹市が設置・運営する展示施設としてオープンしました。国立天文台三鷹キャンパスの森の中にある建物を保存活用し、広い庭も使いながら、絵本を展示し楽しむ場の提供や、自然や科学への関心につながる活動を行っています。絵本との出会いやさまざまな体験を通じて、子供たちの知的好奇心や感受性を育み、人々が宇宙や自然、芸術文化に親しむ場とすること、子供たちが豊かに成長する地域文化の創造に寄与することを目的としています。

実はこの建物、1915年(大正4年)に高等官官舎として建設された、東京天文台(現・国立天文台)の旧1号官舎で、文化財としての価値があるとの理由から取り壊されず残されていました。星と森と絵本の家として整備するにあたり、内装を建設当時の姿に復元するとともに、現在の建築基準法に適合した耐震化を行い、2009年5月に「三鷹市登録有形文化財第1号」に指定されました。

星と森と絵本の家の外観
星と森と絵本の家の外観。1915年(大正4年)に建設された旧1号官舎の姿がそのまま残されている。(提供:三鷹市星と森と絵本の家)

2021年の企画展示『宇宙のとちゅう いま・むかし・みらい』

読書室には2500冊におよぶ絵本などが並び、建築展示室には「旧1号官舎の建築」の常設展示があります。また回廊ギャラリーでは、絵本の家が公募した星や宇宙に関する絵本の原画などを展示しています。この他絵本展示室では、絵本を通して天文への興味を広げる体験型の「見る・知る・感じる絵本展」の企画展示を毎年異なるテーマで開催しています。2021年のテーマは『宇宙のとちゅう いま・むかし・みらい』です。

この企画展示は、2021年7月7日から2022年6月30日まで開催されます。7月7日が開館記念日なので、毎年この日に新しい企画展示を開始するのです。

絵本展示室の「仕掛け」を楽しもう

 絵本展示室には、たくさんの絵本が並ぶだけではなく、9つのコーナーがあり、それぞれ絵本とともに「仕掛け」が用意されています。どんな絵本があるのか、昔読んだ絵本があるか、とても楽しみですね。でも、「仕掛け」も楽しそうです。その例を少しご紹介します。

絵本展示室9つのコーナー:(1)いまなんじ?、(2)ながい?みじかい?、(3)地球の時間、(4)変わるもの 変わらないもの、(5)ながれる時間、(6)時間のはじまり、(7)生きている時間、(8)これからの時間、(9)かことみらい

「(6)時間のはじまり」にある「はじまりに向かうとびら」。最初の扉を開けるとそこにある鏡に自分の姿が写ります(現在)。いくつもの扉を開けるたびに過去の出来事に遡り、最後は宇宙の始まり(時間の始まり)に到達します。最初の2、3枚目の扉は小さな子供なら中に入って行けます。また、その場所から上を見上げると、長押の部分に部屋全体にわたって貼り付けられている全長15メートルもの年表に気がつきます。年表は宇宙の始まりから10億年ごとに色で区切られています。足下のマークに沿って「(1)いまなんじ?」へと戻って行くと、宇宙の始まりから現在までに起こったさまざまな出来事(トピックス)を知ることができます。宇宙の始まりでは少ない出来事が、「今」に近づくほど増えることがわかるでしょう。この「歩く年表」は、宇宙の始まりから続く時間の長さを実感することができるようになっているのです。

他にも、季節の移り変わりをのぞいて楽しむ小窓の上にある「特大星座盤」や、1日という時間の単位を視覚的に捉えられる地球儀といったさまざまな仕掛けがたくさんあり、子供だけでなく大人も一緒に楽しめます。

国立天文台の見学とともに、ぜひ「三鷹市星と森と絵本の家」に訪れて、みなさんも子供の頃に戻ってみてはいかがでしょう。

体験型の絵本展示室
体験型の絵本展示室。2021年の企画展示のテーマは『宇宙のとちゅう いま・むかし・みらい』(提供:三鷹市星と森と絵本の家)

利用案内

  • 開館時間:午前10時から午後5時
  • 休館日:火曜日、年末年始(12月28日から1月4日まで)

開館状況について

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は、午前の部(午前10時〜正午)、午後の部(午後2時〜午後4時30分)の二部制で開館しています。詳しくは三鷹市のウェブサイトをご確認ください。

関連リンク

文:梅本智文(国立天文台 野辺山宇宙電波観測所/天文情報センター)

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