ISS退役後の商業宇宙ステーションは?NASAが企画案を外部事業者から募る
商用宇宙ステーション開発に携わるシエラ・スペース(Sierra Space)社の商用宇宙ステーションの想像図(Credit: Sierra Space)

【▲ 商用宇宙ステーション開発に携わるシエラ・スペース(Sierra Space)社の商用宇宙ステーションの想像図(Credit: Sierra Space)】

米国航空宇宙局(以下、NASA)が商用宇宙ステーションの開発支援プログラムの企画案を外部の事業者から募っていることが明らかになりました。

NASAは「商用地球低軌道開発」(CLD)プログラムを7月12日に公表しており、商用宇宙ステーションの初期研究に関する基金を2~4の事業者に対して提供するといいます。同プログラムにより、2022年から2025年度の間に最大で4億ドルが利用可能になるようです。

米国やロシア、カナダ、日本、そして欧州11カ国など15カ国が参加する国際宇宙ステーション(ISS)は、当初2016年度まで運用される予定でしたが、少なくとも2024年まで運用期間が延長されることを米国のオバマ政権(当時)が発表。さらに、NASAは2028年までの延長を検討しています。

一方で、宇宙ステーションを開発するための予算は年々厳しくなっています。NASAは地球低軌道(LEO)上の商用宇宙ステーション用の予算として2021会計年度で約1億100万ドルを米国連邦政府に要求したのに対して、約1,700万ドルしか予算を受け取れなかったといいます。

歳出採択法案を決める米国下院歳出委員会は、NASAがISSから商用宇宙ステーションへと移行するための明確な目標や指標を欠いていることを懸念しています。同委員会は約4,500万ドルが予算の推奨額だと考えており、LEOの領域で人類のコミットや現在の産業がもつおおよその能力などを維持するために必要な要件を査定するなど、NASAに対して法案成立後180日以内に宇宙ステーションの移行プランに関する報告書を提出するよう促しています。

なお、NASAの商用宇宙飛行開発長であるPhil McAlister氏は、7月13~15日に開催された米国宇宙飛行学会(AAS)主催のシンポジウムにおいて、次世代の商用宇宙ステーションはISSと比べて小さな規模でスタートする可能性が高く、実施される実験の数もISSを下回ると予想。需要に応じて宇宙ステーションの規模を拡張することになるだろうと同氏は述べています。

 

Image Credit: Sierra Space
Source: SPACENEWS, Wired, NASA, SAM.gov, United States House of Representatives
文/Misato Kadono

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